ヴィーナス&ブレイブス  ☆☆☆☆★

ヴィーナス&ブレイブス?魔女と女神と滅びの予言?
「戦いなさい。百年間、戦い続けなさい、ブラッド・ボアル。」
千年生きている女神、アリアの言葉だ。
このゲームでは、主人公ブラッド率いる騎士団を強化し、魔物を討伐しつつ、世界を終わらせる”破滅の予言”を回避するのが最終目的である。だが、「百年間」という言葉に表れているように、百歳以上になって戦い続けることのできる人間など普通はいない。(ブラッドだけは不老不死なので別。)団員は歳をとり、強さのピークを過ぎれば、どんなに強かろうとどんどん弱くなっていく。どれだけ気に入っていても、どれだけ活躍したとしても、最終的には弱くなり、全てのステータスが「1」になる。とてもむごくて悲しいことだ。弱くなった団員には非情だが、引退してもらい、新たな団員を募集、もしくは団員達の子供に入団してもらう。
…で、子供が出来る前に団員同士の結婚があるのだが、生まれる子供は両親の特徴を備えて生まれてくる。この子供がクソ強い。
「ああ、あいつ(父親)も確かにHP高かったなあ…」と変な感慨にふけったり、強い家系ができて、その家系が結婚できなさそうになると、「○○家の血を絶やしてなるものか!」と昔の「家制度」の家長みたいな気持ちになってプレイできるゲームです。ゲームシステムとしては、育成と結婚、合理的に魔物を討伐する遠征コースを考えるのが楽しいです。「俺の屍を越えてゆけ」ってゲームにシステムがとても似てる。

だがね、このゲーム、ストーリーがこれまたイイんですわ。ゲームにしちゃあ名言が多い。
「生きて、そして死んでいけるあんた達を、何度羨ましく思ったことか…。」
主人公、ブラッド・ボアルの言葉だ。
精霊の血を飲んだために、歳を取らなくなったブラッドは、ゲームが始まった時点で345歳。幼い頃に遊んだ友人などはとっくの昔に死んでしまっているだろう。たとえ誰かが、自分とどれだけ深く関わりを持ったとしても、やがて先に逝ってしまう。それでも、自分だけ生き続けるしかない人生に、自分の人生にとっての一部でしかない他人という存在に、どれだけの孤独を感じたのだろう。
「大切なのは間合い、そして退かぬ心だ。」
老兵ウォルラスが弟子フリーに言った言葉。
怒りや自惚れなどの感情にまかせて突っ込むのではなく、相手と冷静に距離をおく。しかし、相手に恐怖して退くわけでもなく、ただ、忍ぶ心のみを持って距離をおく。いい言葉だ。
しかもストーリーの重要な部分には声が入るので、これまた盛り上がります。
ただ、ラストがすっきりし過ぎてて不満だったので、評価を「☆☆☆☆」にしようかと思ったが、最後の最後で予想外のオチがあったので準最高評価にした。ああ来るとは思わなかった…。
総評すると、なんつーか、死ぬまでに一度やって損は無いゲーム。俺は確実に、今までやったゲームの中で5本の指に入りました。つーか、やれ!