近親相姦が禁じられている理由

教えてgoo! - 近親相姦について

世界中のほとんどすべての国に近親婚を禁ずる法的な規制があることはご存知だと思いますが、これは遺伝病などの存在が解明されるはるか以前からあるもので、インセスト・タブーと呼ばれます。

人間以外の生物でも、血縁の近いもの同士の間に子孫を残すことを避けるよう進化しており、例えば植物では自家受粉を忌避するしくみを持っていますし、人間を含む動物では、体臭などを手がかりにして、近い親族への性欲が生じないようになっていることが多いのです。近親相姦は自然状態では「できるだけ避けること」であり、絶滅に瀕した際の緊急避難的措置です。

このテの話でよく回答となるのが、
「近親相姦すると優性遺伝子に隠れていた劣勢遺伝子が発現してくる。そしてその劣勢遺伝子の中に深刻な遺伝病の遺伝子が含まれているケースが多いため、生物学上避けられることが多い」(早い話、奇形児が生まれる)というものなのだが、案外この劣勢遺伝子の中にとんでもないメリットを含んだ遺伝子が隠れているケースも多々あり、デメリットばかりでもない。また被子植物の多くは確実に子孫を残す方に重きを置いているため、自家受粉*1をやっていることも多く、上記の理由が近親相姦を防ぐ”有力な理由”となるにはいささか弱い部分がある。


で、他にどんな理由があるのかというと、人間の場合は相続という問題があったりする。

血縁上近くない人間と結婚するのであれば、二つの流れが一つになるのだから全く複雑ではない。一夫多妻制だとしても子供に均等に分配すればいいだけだ。
ただし、近親相姦となってくると、一回ぐらいなら問題はないのだが、三回、四回……と重なってくると遺産分配が非常にややこしくなる。例えば、昔は自分の正確な年齢を把握する機会というのはあまり無かったせいもあるが、「息子と祖母の間にできた男児」と「父と娘の間に出来た男児」とどっちに優先的に遺産分配するかとなると一瞬では中々思いつかない。さらにその複雑な関係から出来た子供同士で結婚……となると、相続上では手がつけられないわけで「もうややこしいから禁止!!」ってなった説というのが社会学だか法学の方面であるそうだ。個人的にはこちらの方が遺伝学上の話よりも説得力があるのだが、この理屈でいっちゃうと「じゃあ現代だと近親相姦してもいいじゃん」って話になってまたややこしいことになりそうだから、「遺伝学上良くない」というスタンスを取ってるんじゃなかろうか、と推測。

俺もなんかややこしいのでここらへんで終わっとこう。

*1:自分のめしべに自分の花粉をつけ受粉させること