PS3が本当に目指していたもの

痛いニュース(ノ∀`) - 「1年後には、PS3がWiiを抜く」と専門誌予測…次世代ゲーム機戦争本格化
ゲーマーホリック - ソニーがハードウェア事業から撤退?PS3が最後となる?


117 名前:名無しさん@七周年 投稿日:2006/12/06(水) 16:52:31 ID:YLcCtuIU0
どうせ、Wiiがポケモン需要で長期間安定的に売り上げ伸ばして、
ポケモン需要が切れたとこにマリオブランド投入して、
PS3にトドメを刺しちゃうんだろ?


74 名前:名無しさん@七周年 投稿日:2006/12/06(水) 16:45:42 id:xPWO2qQ60

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)   もう追い抜ける分けないだろ
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ   常識的に考えて・・・
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ        \
   /    く  \        \
   |     \   \         \
    |    |ヽ、二⌒)、          \


「もうPS3は終わった」という空気が流れているわけだが、若干異論を唱えたい。
業績不振なのは事実。ただし、PS3が実際に発売されたことで曖昧だったPS3の方向性がはっきりしてきたように思えるのだ。

まいにちいっしょ」の動画

これを見てほしい。

PS3で毎日ネット配信されている動画であるが、非常に出来が良い。
このクオリティなら下手なバラエティ番組よりもおもしろい、いやバラエティ番組とかいらないんじゃないか……と、ここで気付いた。


もしやSONYというのは人間が出てこないテレビを作りたかったのではなかろうか?


テレビがやっている番組、ニュース、ドラマ、バラエティ番組などがあるが、それぞれ「ニュースならニュースキャスター」、「ドラマには俳優」、「バラエティ番組には司会者&出演者」と必ず”人間”が出ている。おそらく、この”人間”を全部”CG”に置き換えたいのではないだろうか。

なぜ”人間”を”CG”に置き換える必要があるのか?

おそらく久多良木社長は今のテレビのポジションを乗っ取りたかったのだろうと思う。
しかしSONY側には俳優やニュースキャスターなどの人脈が無いわけだ。じゃあ、PSシリーズの遺産と人脈を使ってテレビ業界に対抗するにはCGしかない。


では、CGをテレビの出演者に負けないぐらいのクオリティにするにはどうすればいいのか?


まずリアリティを向上させる必要がある。今までに無い高度な性能が必要となる。
だから、PS3のCPU(CELL)に合計約1兆円もの巨額投資をしたのだろう。



そしてその中に「広告」も巧みに織り込み、リアリティの向上をはかる。*1
広告は「PS3番組」のリアリティの向上として使われるため、CMという概念が無くなるのだ。
これはTV業界にとって脅威である。


だが、「TVのポジションを乗っ取る」というスタンスを明確にしてしまうと、全TV局を敵に回す羽目になるので流石にそれは避けたい。
と、なると非常に曖昧な言い方にならざるを得ない。だから久多良木氏は「総合的な楽しさを提供する」とか「ゲームではない」と言うしかなかったのではないか。


だから、
後藤弘茂のWeekly海外ニュース - PS3、“59,800円”の意味


ゲームや音楽、映画が融合したデジタルインタラクティブなホームエンターテイメント
これは「新しいテレビ」って要約しちゃっていいんじゃなかろうか。

軽いまとめ

以上のように、今までのSONY側の戦略に理解できない部分があった理由は、


・「PS3はゲームではなく、コンピューター」 ⇒ 『CGから成るテレビ局を創造したかった』
・不可解なオーバースペック ⇒ 『既存のテレビに対抗する表現力を追求するため』
・PS3の方向性に対する曖昧な主張 ⇒ 『テレビ局からの総攻撃を回避するため』
・無理やりハードディスク内臓 ⇒ 『録画』
こう考えれば全ての謎が解けるのだ。*2


と、なると戦略がXBOX360と被っていると言われていたが、これは大きな誤りであると言える。
以上を踏まえると、次世代機のそれぞれの方向性は次のようになる。

  • Wii
    • 老若男女手軽にでき、わかりやすく、生活に溶け込むようなゲームを目指す。
    • 過去のコンシューマーゲームをネットにて配信。GCと互換性。
    • DSとの連携。
    • セットトップボックスの機能を有し、「テレビと共存」。
  • XBOX360
    • 高い性能を活かしたゲームを作っていく。
    • 過去のアーケードゲームをネットにて配信。初代XBOXと互換性。
    • 音楽配信など「テレビ」よりも「ネット」の世界に準じた戦略。
  • PS3
    • テレビのような映像情報配信をメインとし、かつその高い機能を活かして「ゲームも出来る情報受信機」。(+BDプレイヤー)
    • 初代PS、PS2と互換性。
    • PSPと連携。(おそらくPS3が受信した「放送」を受け取るための装置)
    • セットトップボックスというより、テレビという機械を媒介として「テレビ局のシェアを飲み込む」ために作られた機械。

こう考えるのが無難じゃなかろうか。

SONYはいったいどうなるのか

久多良木元社長がPS3の価格(59800円)を発表した当時、「安すぎたかも」という失言が注目されたが、おそらくTV業界を乗っ取れるという確信があったからだろう。
なにせ、

  1. これから"世界標準"となりかねない情報受信機(テレビ)
  2. PS2以上の性能を持ったゲーム機
  3. BDプレイヤー

の3つをセットにして売ってるのだから「安すぎたかも」という発言にも頷ける。*3


しかしSONY経営側の下した決定は「ゲーム機」。49800円という無茶な値下げをすることとなった。
もし、この推測が当たっており、他の多くの方々が認知するところになっても、その時はテレビ局が黙っていないだろう。
まだPS3には長期戦という生き残り策が残っている。今後のSONYの動きに注目したい。

*1:ゲームの中で実際に出てくる商品が使われていれば、それは非常にリアリティを持つし、親しみが沸く

*2:最近HD端子に関する議論が行われているが、それはあまり問題でないように思える。参考

*3:実際は2と3のメリットしか認識されていないのだから