小悪魔ageha編集長のインタビューを読んで、感心しつつ反省した

まだ14日だけど、人気エントリで見つけた小悪魔ageha編集長へのインタビューが面白かったのでメモ。
(太字や注釈は俺が付けました)


G:
今までのお話を伺った限り「雑誌大好き」という感じなのですが、ネット上ではあまり「ファッション」についての情報が言うほど多くなく、まだまだファッションに関しては雑誌が主導権を握っていると思うのですが、今後「ageha」はインターネット、あるいはモバイルとの関わりなどは予定されてないのでしょうか?
ageha
私は小さな頃から雑誌が好きで、ずっと紙で情報を得る喜びを感じながら育ってきているため、インターネットで「小悪魔ageha」を載せるというのは全く考えられないんです。携帯小説などを読んだりするのも全く問題ないと思いますが、雑誌という楽しみもあるということを忘れられてしまっては困りますよね。雑誌で育ってきた私たちが編集者という立場になったので、今度は下の子たちに面白い雑誌を作って読ませてあげないといけないと思うんです。そうしないと、どんどん雑誌を読んでくれなくなっちゃうじゃないですか。そうするとインターネットの方に流されていってしまうと思うんです。やっぱりインターネットのように手軽にお金出さなくても簡単に見れてしまうって、確かにそんな手軽で面白いものなんて無いじゃないですか。でもそうじゃなくて、コンビニや本屋で表紙を見てビックリして、中身を見て度肝を抜かれて買って、そうやって買った雑誌をを隅々まで見るという一連の流れが、こんなに楽しくて面白いんだと感じさせるように私たちが頑張らなければならないんだって思うんです。


この辺り、自分も似たようなこと考えたことあるんだよなあ。ageha編集長が言ってる「雑誌」の部分をそっくりそのまま「ネット」に置き換えれば、そのままんま自分のケースになってるような部分もあるし。
ただし、雑誌とネットの大きな違いっていうのが、雑誌というのは商売で給料もらえるから辛いことでも肯定的に耐えられる部分があるのに対して、ネットはどこまで行っても趣味の延長な部分があるから辛いことに耐えていくというのが難しいのだよね。無茶ができないというか。だからWeb系プログラマは別として、ネットにいくら労力つぎ込んだとしても生活出来るだけのお金が入るわけでもないし、給料も増える訳でもないから日常とのバランス感覚が凄く重要になってくる。
だからブロガーや動画作成者、ついったらーっていうのは、その日常の部分をネットにどう活かすか、活かされてるかが重要になってくるんだよね。(逆を言えば、ネットがどう日常に影響を与えるかも言えるけど)


あと、↓の節は俺がかなり反省した。


G:
ちなみに、他の雑誌がダメになった理由はどうお考えですか?*1

ageha
出版社の人たちって、みんな頭がイイからじゃないですか。わたしは育ちがよくないしあまり頭がよくないので、同じような境遇の子の気持ちがよく分かるのですが、頭のいい人が言っていることってよく分からないんですよね。たぶん世の中の読者の人たちも同じだと思うんです。すごく頭のいい人が作った賢い雑誌を見ても、何か難しいこと書いてあるし、すごく上から目線で「これが流行する」的なことを書いたって共感できないと思うんです、特に女の子たちはそうじゃないところで生きているわけですから。読者の子たちは一部の頭のいい人とか恵まれた人たちと違うんですよね。確かに高学歴で頭のいい人はすごく漢字とか知っているし、入稿の仕方を覚えるのが早いし、飲み込みが早いからいいと思うのですが、読者の子はそうじゃない子もたくさんいるんです。だから、わたしは読者と同じ立場に立って一緒になって作りたいなって思っています

これほんと重要ですよね。


なんと言いますか、「専門用語を使うな」とか「頭のいい人は何言ってるかわからん」という話は実に単純で、通じない言葉使ってるから通じない、という話なんだよ。早い話、通じる言葉を使えばいい。「トリアージ」とか使わずに、「重いケガしてる人は先に病院に運ぼう」って言えばいい。(あくまで出来る限り多くの人間に伝えたいケースだが)
なんつうか専門用語とか外来語とか漢字の連なった言葉にすこし格好良さを感じてしまったり、知的であることが最上と心のどっかで思ってる俺みたいな人間が陥りやすい罠なんだけど、より多くの人に伝わるよう配慮するってことを忘れがちなんだよなあ……。そりゃ解ってる人同士ならエンジン全開でそういう会話すりゃあいいけど、世の中、老若男女黒白黄色と様々な人がいるし、わからない事があれば面倒くさがって調べない上、俺が言ってるようなことには興味のないことが大半だよ。俺自身がわかるように伝えなければ誰も聞いてくれんよなそりゃ。


最近学問にかぶれて、色んなこと調べようとしてたのは良いけどそういう初心を忘れてはいかんよな。言葉は伝えるためにあるんだし、伝わらなければ実践的ではない。反省。

*1:小悪魔ageha」は公称30万部で、今やあの「non・no 」(25万部)を抜く。