引っかかってる言葉

さっきから少し引っかかってることばがある。

まあ性懲りも無くアイマス動画なんだけど、動画の内容はどうでもよくて3:45辺りから始まる"語り"の部分が妙に頭に残ってる。


もちろんこれはたとえ話です。
たとえば昔、あるところにお城がありました。
なに不自由なく育ったお姫様は幸せであることに飽き、
実験と称しては塔の上から袋詰めの猫を落とし、その自由落下の中に生命の意味を見出していたのでした。


もちろんこれはたとえ話です。
けれども、落とせば落とすほど、
お姫さまはわからなくなってしまったのです。


「人生ってわからないなあ……。」


お姫様は家来に命じて、自分と似た格好の12人の娘をさらい、
自分と同じ服を着せ、自分と同じ化粧をさせ、窓から落としました。
12人目を落とし終えたあと、お姫様は


「人生ってわからないなあ……。」
と言いました。


そしてお姫様は一生幸せに暮らしましたとさ。

動画本体だともう少し語りが続くのだけど、この一節が妙に頭に残って離れない。
で、「この一節がわからない」と書こうとしたのだけど、何回か動画見てるうちに解ってしまった。


たぶん「猫」が物への関心を表してて、「自分と似た年恰好の娘」が自分の理想とか精神的なモノへの関心で、それを「殺す」ということ、つまり「諦める」ということで理想の追求を断って、皆幸せになっていくという比喩表現なんだろう。(みんな「わからないまま」一生を終えるという皮肉も含んでる。)


で、続きの語りはこうなってる。


もちろんこれはたとえ話です。
けれどもたとえばそれが人生というものなら、
私は、私は、
私は塔から落ちた12人の娘みたいに
地面に深く埋まって化石みたいに






きれいな宝石になりたい。

つまり、理想を追い求めていく状態で一生を終える、あるいは自分の中で最高の状態のまま死にたい、ということを表してるんだと思う。
「低い身分の娘がお姫様の格好」ができることは通常あり得ないわけで、ある意味最高の状態なわけだが、直後に死がちゃんと待っている。


この裕福な時代においては、お姫様のように自分の中にあるものを一つづつ殺していくことで初めて幸せになれる部分があるが、
そんな幸せを得るくらいだったら「塔から落とされて死んだ方がマシ」ということをうたったのがこの一節なわけか。




つうか、そもそも「この一節わかんねーよ」っていう文を書こうとしてたのに、"書こうとする行為"が理解の補助になって全部理解できてしまった。
文章書く行為って恐ろしいですね。