2月27日のコメント欄への反論
2/27の感想文に反論*1が来たので、こちらも反論させていただきます。
名前を書かれていないので便宜的に「名無し」さんと呼ぶことにします。
ニートという言葉の定義
「ニート」の語源となった「NEET」って言葉はイギリスから来ており、「Not in Education Emproyment or Training」を縮めたもので、直訳すれば「学生でもなく働いてもいない人」という意味です。この時点では、決して「働く気のない人」という意味ではありません。
(もし「〜の気がない」という意味が入るとすれば「neglect」とか「don't want to」などの言葉が入るはず。)
で、日本の「ニート」の定義なんですが、国が出している刊行物のひとつに『労働経済白書』というものがあります。この定義だと「15〜34歳の若者の中で、学生でない未婚者でかつ働いておらず、求職行動をとっていない人」を指します。この本の三人の著者はこの定義を忠実に守っているため、名無しさんがおっしゃっていた。
花見川さんの年齢はよく知らないけども
著者が年下でビビっていることから著者が10代だろうと推測すると
その著者はたぶんニートの意味を間違えているのでは??
という疑問は否定されます。そもそも著者は三人で、そのうちの三章を担当した人物が私よりも年下だったということです。こちらが言葉足らずだったかもしれません。
名無しさんの言うような「親のスネをかじっているロクデナシ」のニートはどんな社会だろうと少なからずいます。明治時代にもいたそうです。ただ、それ以上ロクデナシが増えなければ良いのですが、『「ニート」って言うな!』によると、2004年5月17日の産経新聞が「ニートが10年間で1.6倍になった」とネガティブに報道し、他のメディアもそれに乗じたため、親のすねをかじっているロクデナシが増えたという認識がどんどん一般化していったのだそうです。
そもそもここの「1.6倍」という数字にカラクリがあり、さっきの「心や体の病気で働けなくなってしまった人」を含め、「アパート、駐車場経営者」、「芸能・芸術関連のプロを目指して準備中」、「留学準備中」などの人達もニートに含まれてしまうという事実をこの本の著者は示したわけです。事実上、「ロクデナシのニート」は増えていない…と。
(この理由部分はかなり削っていますが、手間と時間考えると全部紹介するわけにはいかないので悪しからず)
名無しさんの
ニートの問題は失業率が高いからとかそういう危機感とは別の次元で
若者が働く気がない、働かなくても生きていけてしまうそういう環境に危機感を感じるべきだと思う。
という意見ですが、ロクデナシなニートが増えていない以上、あまり問題にならないと思います。先ほど述べたように「若者が働く気がない、働かなくても生きていけてしまうそういう環境に危機感を感じるべき」だとすりこませたのはマスメディアです。むしろ失業者やフリーターは2倍以上になっているため、そちらを問題にするべきだと思います。
個人的な意見を言わせてもらうと、ロクデナシなニートはその家庭の問題であり、親がなんとかすればいいだけの話。追い出すなり、説得するなりすればいい。追い出そうとして暴力を振るわれれうのなら、ガードマンや用心棒などのそっち系の人達を雇って追い出してもらって引越しなど対応策はあるはず。でも、失業者や正社員として就職できないフリーターは個人や家庭だけではどうにもならない。就職しやすい社会を目指すための働きかけは必要でしょう。
さらに続けると、普段はスポットを当てていないロクデナシにスポットを当てて問題視している今の社会に大きな危機感を感じます。
「働く意欲が無い」者をどうすればいいか
→社会が働かせるような環境になれば良い
→強制的に働かせる社会の実現を目指し、法律を整備
→自由の大幅な剥奪
という流れになりかねないからです。
蛇足ですが、名無しさんはマスメディアと企業の癒着の問題等は考えなかったんでしょうか? 雇用問題を回避できるって点において企業がけっこう得をするような気もするんですが。
*1:感想文に反論ってのもちょっとおかしいが