いつの間にか、小学生〜中学生のころに住んでいた家にいた。
しかし、今やその面影もなく、ほこりっぽく湿っていて、「朽ちている」というわけではないけど、どこか暗い気分を連想させる雰囲気になっていた。気がつくと近くにいた人が苦しみながら死んだ。何故俺といっしょにいたのはわからなかったが、死んだ理由は分かった。呪われたからだ。この呪いはリングの貞子のような悠長なものではなく、呪いがかかると即座に10から0(?)までがカウントダウンされ、それが終わると死ぬのだ。いや、カウントダウンされると死ぬのではなく、カウントダウンしていることに気付くと死ぬのだ。例えば、デジタル時計が1010分を指している。次に目をうつした場所に個の花がある。さらに目を移すとそこには文字のアルファベットがあり、今度は本のページが目に入る…というものである。それが(あるのかどうかわからないが)になると死んでしまうらしく、一旦呪われればカウントダウンは止まらない。例えカウントダウンを止めようと目をつぶっても目の中に残ったチカチカしたものの形や数が次のカウントになるだけである。
そして隣の奴が死んだあと、俺に呪いがかかった。しかし-どういう経路でそれを知ったかは忘れたが-解決策は残っていた。他人にこの呪いを知らせることだ。俺はすぐに近くの人間にこのことを話し、ハエが4匹止まっている板を見たあと、次の「3」を見ることは無かった。別にこのことを他人に話したとしてもそいつに呪いがかかるわけではない。話した奴の寿命が延びるだけだ。ただし、いつカウントダウンが再開するのかわからない。