二郎 桜台駅前店
少し前の話なのだが、ヘボメガネさんと桜台駅前の二郎に行ってきたことの話を書こうと思う。あれとの出会いは衝撃的だった。
「前に二郎新宿店で食べて完食したし、それに今日は朝から何も食べてないしだろうし大丈夫だろう」
と高をくくっていたらえらい目にあった。
ちなみに自分が食べたのは「大盛りWチャーシュー 野菜増し」というやつで、麺大量な上にチャーシューというか肉塊がボコボコ入っているという、人1人殺せそうなメニューだった。
(その異形さにベルセルクの「ドラゴンころし」の説明文を思い出したのは自分だけではあるまい。)
確かにその量に圧倒はされたが、ハンバーガー10個をたいらげ、伝説のワンパンチラーメン*1を食いきったという自負がある。しかも今日はまさにハラペコである。
むしろこれはチャンスではないのか? ヤツが前に出てきたときはそう思えるぐらい余裕があった。
早速敵の解体作業に取り掛かる。
まずは上に乗っているもやしと肉塊(チャーシュー)を倒さなければならない。まずはチャーシューにかぶりつく、濃厚な味がすきっ腹に滲み、この上ない幸福感が脳天を貫く。うまい。一緒にもやしを食べる。うまい。麺を食べようとするが、チャーシューともやしが多すぎて麺はまだ食べることはできない。とりあえず大量のもやしを減らしていく。
もやしをある程度減らしていったところで、麺が見えてきた。
その麺もただの麺ではなく、太く、硬く、「箸でつまむ」というよりも「引き上げる」ように食べるような重量感がある。まるで「タダでお前には食われないよ!!」と、人間に抗う術を手に入れたこいつの主張が聞こえてきそうだ。
そして、麺を食い始めたときだろうか。異変が起こった。
体が「もういい」という信号を出し始めたのだ。
「バカな! たったこれだけで俺の体は音をあげようとしているのか?!」
「 確かにヘボメガネさんから『油にやられることがある』と言っていたが、それにやられたのか……。」
「まだチャーシューは三分の一は残っているし、麺なんてまだほとんど残っている。」
自問自答が続く。
ここでやられて……、たまるか……!!
そう思ったからには心だけで戦うしか無かった。脂汗を出しながら油と戦い、重厚な麺の大群をばっさばっさと斬り捨てる。苦しい。
横の男を見ると、彼も必死の形相で食べていた。「戦っているのは自分だけではないのだ。」と励まされた。
昼もラーメンを食べていたヘボメガネさんは今回は少なめにしていたため、もう食べ終わっている。横の男も死んだような顔をしながら何とか食べ終えたようだ。俺もなるべく早く食べ終わらなければ。
肉塊にすがりつくようにしてかぶりつく。厳しかったが、何とか肉を全員倒す。このときのためにもやしを少し残しておいて助かった。
あとは麺を食べ終えるだけだ。
5分が20分に感じるような長い戦いの中、思わず「何故俺はラーメンにここまで必死で戦っているのか?」という疑問が沸いて来るが、そんなことは無視して、食べる。
食べる。
食べる。
そして、食べる。ひたすら食べ続ける。
スープしか見えなくなってから残党をひたすら潰し、「もういないな?! もういないな?!!」と箸をかき回して、こいつを倒したことを確認する。
何とも言えない安堵感と達成感が湧き上がる。
一時間ほど休憩しないと動けないほどの"重体"だったが、何とか制覇し、小さなプライドを保つことができた。
あとでの飲みはツマミや酒を腹になかなか入れることができないので難儀した。
あまりまとまってないが、奴と戦う羽目になったときは参考にしてくれると嬉しい。
大盛りは化け物だ。
*1:大学周辺で伝説となっている量を誇る。