「幸せ」と「強さ」について思うこと

ニコニコ動画がメンテナンス中なので、久々に本家で日記を書く。


最近、「幸せと主張するのは不幸な人間にとって毒」とか「それでも幸せ主張して何が悪い」的な議論がはてな周辺において起こっているのだけど、すんげーベタな幸せを求める願望ってどうなのよ、とか思ったりする。いや、幸せ求めること自体は悪くないし、そこいらで行われてる議論とはかなりズレた疑問だったりするのだけど、自分が中学生ぐらいの頃かな、
「裕福さとか結婚とかで『幸せになりたい』って皆言うけど、何でみんなそこまでして幸せになりたいんだ? 人として何かを成し遂げたいと思わないのか? そんな皆が求めるような幸せで自分のやりたいこと、やるべきことを邪魔されるくらいなら、俺は幸せなんていらない。不幸のままでいい。」
ってずっと思ってて、”幸せ否定論”みたいなものを19ぐらいの頃まで大事に持ってた。


で、ある日「幸せはいらない。やるべきことがあればそれでいい。」って言いつつも、結局”やるべきことがやれてる状態”というのも幸せになってしまうんだよな、ということに気付いて、何段階メタになっても「幸せ」という言葉は「幸せ」のままで、なんだか仏の掌の上であそばれていた孫悟空みたいな気持ちになり、「幸せ」という言葉は非常に恐ろしい言葉だと思った。
そして、恐ろしいと同時に「幸せ」というのは非常に暴力的で、例えば食うに困らないことは幸せだけど、飢えた子供の前でパンをさぞかし旨そうに食べるのは暴力以外の何者でもなく、「幸せ」というのはそういう使い方も出来てしまう。しかし、飢えた子供にパンを分けることは出来るわけで、どうパンを分けるのか、そして自分はどこまでパンを分けるのか、と考えたり議論したりすることは、たとえそれが随分昔に議論され尽くされていたとしても、とても有益であるように思える。(もちろん、この「パンを分ける」という考え方自体が傲慢だと言われれば、それはそれで正しいだろう。)


んで、個人的には「幸せ」というのは「強さ」のための武器にしたい、利用していきたい、と考えている。




基本的にこの世は弱肉強食であるから、日常生活においても「勉強ができる」「仕事ができる」「金を持ってる」「魅力がある」というような一種の強さを持つことは自分が生きていくことにおいて必須事項。その強さの中に「不幸」を武器にした強さがあったりするのだけど、個人的にはこのやり方は緊急避難として使う以外には、あまりおすすめ出来ないやり方だと考えている。
バスタードって漫画だっけか、炎の魔道師と氷の魔道師が戦う場面があって、「氷よりも炎の方が強い。氷だと絶対零度(-273.15℃)までしか温度を下げることが出来ないが、炎であればいくらでも温度を上げることができる。」って解説役が言ってて、やはり炎の方が最終的には勝ってしまう。「温度が下がる」というのは「原子核と電子の間の距離が縮まる」のと同義で、その距離がほぼゼロになるのが絶対零度。逆に「温度が上がる」ということは「原子核と電子の間の距離が広がる」と同義で、距離が離れていけば「温度が上がっている」わけだからいくらでも温度を上げれるわけで、一兆度とかいう温度も可能。
「不幸」を武器にした人というのは、氷の魔道師と同じところがあって、武器として強力だし瞬発力もあるんだけど最終的には限界があるし、消耗品みたいなところがあるから磨り減ったりする。
逆に「幸せ」を武器にしてる人というのは、炎の魔道師と同じだからこれが結構強い。不幸になり過ぎると人は自殺したりするんだけど、幸せになるのであればいくら幸せになっても何一つ困ることが無いので、どんどん温度が上がる。150℃くらいのガスコンロみたいな炎の魔道師であれば、氷の魔道師でも倒せるのだけど、1億℃とかの核融合起こしてる太陽みたいな魔道師が相手だと氷の魔道師は一瞬で焼き尽くされてしまう。*1 奴らは本気で強い。


だから、「強くなりたい」という大きな飢えがある自分としては、炎魔法を選びたいと考える。氷魔法の方が強くなれるのであれば、そっちの方を選ぶのだけど、5年間みっちり考えた結果、そういう結論が出たので仕方が無い。自分の中での真実だろうし、これは。*2






最初の問いに戻るのだけど、ただ単に「幸せになりたい」とか「自分は幸せだ」と何の考えも無しに言ってる連中は何なんだろうな、と思う。
先程述べたように「幸せ」というのは暴力としても使えるわけで、制御の仕方を知らなければ周りの人間を焼き尽くすことだってあるのだから、幸せの恐ろしさを知らずにただ単に力を持ちたいという話には賛同が出来ない。つうか、お前はガスコンロで暖まってろよ、とか思う。




あー、先輩との飲みの後で「きもちわりぃいい」とか思いつつ書いてたら、とても香ばしい電波文が出来上がったな。


ここまで読んだ方は、非常につまらない自分語りにお付き合いいただき、ありがとうございました。

*1:太陽みたいな魔道師になるには、一度氷の魔法を学ぶ必要があるけど、それ語るのは面倒くさいので止めておく。

*2:人によっては氷魔法を使い続けるしか無い状況があったりするから困る。太陽みたいな魔道師には気をつけた方がいい。